昼休みも仕事を続けて、午後の半ばになると、鈍い痛みが頭全体に広がってくる。空腹による頭痛は最もよくある頭痛の1つですが、食事を1回抜くことはその場ではたいしたことに感じられないため、見過ごされやすい頭痛でもあります。
このガイドでは、長時間食べないでいると頭痛が起こる理由、片頭痛のある人が特に影響を受けやすい理由、カフェインと食事のタイミングがどう絡み合っているか、そして空腹による頭痛のほとんどを防げるシンプルな習慣を紹介します。
食事を抜くと頭痛が起こる理由
NHSは、ストレス、脱水、悪い姿勢と並んで、規則正しく食事をとらないことを頭痛のよくある原因に挙げています。1 最も典型的なタイプには、医学的な正式名称まであります。国際頭痛分類では「絶食による頭痛」を、少なくとも8時間何も食べなかったあとに起こり、食事をとると大きく改善する、頭全体に広がる拍動しない頭痛で、通常は軽度から中等度のものと説明しています。4 絶食が長いほど、頭痛は起こりやすくなります。4
正確な原因は、思ったほどはっきりしていません。The Migraine Trustは、食事を抜くと血糖値が下がり、それが片頭痛の発作の誘因になると考えられていると説明しています。2 しかし国際頭痛分類では、絶食による頭痛は低血糖がなくても起こりうること、低血糖が原因だという決定的な根拠はないことが指摘されています。4 しくみがどうであれ、実際に役立つ教訓は同じです。食べない時間が長いと頭痛が起こりやすくなり、たいていは食べると楽になります。
空腹と片頭痛
片頭痛がある人にとって、食事を抜くことはさらに大きな意味を持ちます。絶食による頭痛は、片頭痛などの頭痛疾患がすでにある人にずっと多く見られ、片頭痛のある人では絶食による頭痛が本格的な片頭痛の発作に移行することもあります。4
The Migraine Trustは、絶食や食事抜きを片頭痛のよくある誘因としており、食べない時間が続いたあとに発作が増えたり重くなったりすると感じる人が多いと述べています。2 また、甘いおやつを食べたあと、ダイエットを始めたとき、事前に十分食べずに運動したときにも、同じような低下が起こりうると指摘しています。3
空腹が単独で働くことはまれです。The Migraine Trustは発作の「閾値」について説明しています。食事抜き、睡眠不足、強いストレスは、それぞれ単独なら何とかなっても、2つか3つが重なると閾値を超えてしまうことがあるのです。2 ストレスがあり、睡眠が足りず、食事もデスクで済ませるかとらないかという忙しい日が、頭痛の日になりやすいのはそのためです。この組み合わせについては、仕事中の頭痛のガイドで詳しく説明しています。
カフェインとの関係
食事を抜いたり遅らせたりすると、コーヒーも抜いたり遅れたりしがちで、それ自体が頭痛の誘因になります。国際頭痛分類によると、普段1日に約200mgを超えるカフェインをとっている人は、いつもの摂取が途切れたり遅れたりすると、最後に摂取してから24時間以内にカフェイン離脱頭痛が起こることがあります。通常はカフェインをとってから1時間以内に和らぎます。5
つまり、遅めの朝食とコーヒーで「空腹による頭痛」が治まったなら、それは一部カフェインのせいだったのかもしれません。The Migraine Trustは、平日も週末もカフェインの量とタイミングを一定に保ち、減らしたい場合は急にやめずに少しずつ減らすよう勧めています。3 週末の頭痛に悩む人が多い大きな理由もここにあります。朝寝坊で朝食とコーヒーが何時間も遅れるのです。
空腹による頭痛が起こりやすいタイミング
空腹による頭痛は、1日の中の食事の空白に沿って起こります。よくあるパターンは次のとおりです。
- 午前の遅い時間:朝食を抜いたり、コーヒーだけで済ませたりしたあと。
- 午後の半ば:昼休みも仕事を続けたあと。
- 起床時:夕食から長時間あいたあと。The Migraine Trustは、起きたときに頭痛があることが多いなら、寝る前に体によい軽食をとると役立つかもしれないとしています。3 起きたときに頭痛がするほかの理由については、朝の頭痛のガイドで説明しています。
- 忙しい日や予定が乱れた日:移動日、長い会議、締め切りなど、気づかないうちに食事がずれてしまう日。
- 計画的な断食中:ダイエットや宗教上の断食を含みます。
空腹による頭痛を防ぐには
決まった時間に食べましょう。 The Migraine Trustの主なアドバイスは、食事の時間を規則正しくし、食べない時間を長くしすぎないことです。2 NHSも、頭痛があるときは食欲がなくても食事を抜かないよう勧めています。1
朝食を抜かないようにしましょう。 少しの朝食でも、通常1日の中で最も長い夜間の空白を短くできます。
腹持ちのよい食べ物を選びましょう。 The Migraine Trustは、片頭痛のあるほとんどの人に、食物繊維の多い食品や全粒穀物のでんぷん質の食品を中心に、たんぱく質も加えた、規則正しい時間の健康的でバランスのよい食事を勧めています。血糖値を急上昇させることがあるケーキやビスケットなどの甘い食べ物は控えるよう勧めています。低血糖が発作の誘因になっているようなら、糖分の少ない食事を少量ずつ頻繁にとり、必要なら食事の合間に栄養のある軽食を少しとるよう勧めています。3
忙しい日に備えましょう。 空腹による頭痛は、食べ物の選び方が悪いことよりも、予定どおりにいかない日から起こることがほとんどです。かばんやデスクに軽食を入れておき、予定表に昼食を入れ、長い会議や移動のあとではなく前に食べましょう。
運動の前に食べましょう。 事前に十分食べずに運動すると、食事を抜いたのと同じ影響が出ることがあります。3
水分も十分にとりましょう。 脱水はそれとは別の頭痛の誘因で、食べるのを忘れる日は飲むのも忘れがちです。The Migraine Trustは、1日にカップやグラス6〜8杯の水分で通常は十分だとしています。3
宗教上の理由などで断食をする場合は、前もって計画しましょう。断食が始まる前にバランスのよい食事をとり、カフェインの量を一定に保つか、数週間前から少しずつ減らしておきましょう。片頭痛がある場合は、断食中の発作への対処法について医師に相談してください。
自分のパターンを見つける
空腹は原因にされやすく、見落とされやすくもあります。頭痛ダイアリーをつければ、自分にとって本当に要因になっているかがわかります。2週間ほど、食事とカフェインをとった時刻、頭痛が始まった時刻を記録しましょう。食べない時間が長かったあとの頭痛と、規則正しく食べて頭痛が起こらなかった日を探します。きちんと食べた日にも頭痛が何度も起こるなら、ほかの要因のほうが大きいのかもしれません。本当の誘因と偶然を見分ける方法は、頭痛の誘因のガイドで説明しています。
医師に相談すべきとき
糖尿病があり、インスリンや特定の糖尿病治療薬を使っている場合、空腹とともに起こる頭痛は低血糖のサインかもしれません。NHSは、空腹感、めまい、ふるえ、発汗、いらいら、錯乱などを低血糖の症状として挙げ、糖尿病のある人は可能なら血糖値を測るよう勧めています。糖尿病のない人に低血糖が起こるのはまれです。6 糖尿病はないけれど、食べていないときにふるえ、発汗、気が遠くなる感じがよくある場合は、医師に伝えましょう。
頭痛が定期的に起こる場合や、自分で対処しても頭痛が良くならない場合は、医師に相談してください。1
突然始まる非常に激しい頭痛、または脱力、しびれ、錯乱、話しにくさ、視力の喪失、けいれん発作、首のこわばりを伴う高熱がある頭痛の場合は、すぐに医療機関を受診してください。1 危険なサインの一覧は、頭痛が始まったときにすることのガイドにまとめています。
はじめてみましょう
これから2週間、週末も含めて毎日ほぼ同じ時間に朝食と昼食をとり、予定どおりにいかない日のために軽食を持ち歩きましょう。効果があるかを確かめるには、Headache & Migraine Diaryで頭痛ごとに数秒で記録し、食べ物やカフェインを誘因の候補としてタグ付けできます。あとから振り返って、頭痛のあった日が食事を抜いた日と重なっているかを確認しましょう。

