天気予報に出る前に嵐が来るのを感じ取れる人がいます。目の奥の鈍い痛み、頭の重さ、雲と一緒にやってくるかのような片頭痛。天気は、頭痛の誘因として最も多く報告されているものの1つです。そして、変えることができないため、最ももどかしい誘因の1つでもあります。
このガイドでは、天気による頭痛について実際にわかっていること、天気が自分に影響しているかを確かめる方法、そして影響を受ける日にできることを紹介します。
根拠からわかること
片頭痛のある人の多くが天気で発作が起こると言い、The Migraine Trustは、影響しうる気象条件として、気圧の変化、湿度、暑さ、強い日差しを挙げています。1 気圧、つまり私たちのまわりの空気の圧力は、嵐の前にはたいてい下がり、多くの人が最も気づきやすいのがこの変化です。
研究結果は、体験ほどはっきりしていません。2024年にCurrent Pain and Headache Reportsに掲載されたレビューでは、気圧の低下と頭痛の増加を結びつける研究もあれば、関連が見られなかった研究や、逆の結果になった研究もありました。著者らは、ほとんどの研究が本人のダイアリーやアンケートにもとづく小規模なものだと指摘し、直接の因果関係は証明されていないと結論づけています。2
これは、天気による頭痛が存在しないという意味ではありません。天気はおそらく影響を受ける人と受けない人がいて、その影響は人によって異なり、たいていは単独ではなくほかの誘因と一緒に働く、ということです。The Migraine Trustも同じことを指摘しています。天気はストレス、睡眠不足、食事抜きなどと組み合わさる傾向があり、多くの人にとっては、たとえ厳しい天気でも安定している天気より、変わりやすい天気のほうが対処しにくいのです。1
さまざまな天気の影響
気圧の低下と嵐。 最も多く報告されているパターンです。気圧が急に下がる嵐の前の数時間や前日に、頭痛に気づく人がいます。
暑さ。 暑いと、特に体を動かしているときは多くの水分を失い、脱水は頭痛のよくある誘因です。長く暑い日は睡眠を妨げることもあります。
湿度。 湿度がとても高いと不快で眠りにくくなることがあり、冬の冷たい空気や暖房の効いた部屋のようにとても乾燥した空気では、気づかないうちに脱水になることがあります。
強い日差しとまぶしさ。 強い光は片頭痛のある多くの人にとって不快で、雪、水面、明るい舗道からの照り返しでさらにつらくなることがあります。
このうちいくつかは、水分摂取、睡眠、光を浴びる量という、自分で左右できることを通じて影響していることに注目してください。実際に役立つ対策の多くは、そこから生まれます。
天気が自分に影響しているかを確かめるには
天気はほかの誘因と一緒に働く傾向があるため、睡眠不足や昼食抜きのあとに起きた頭痛まで嵐のせいにしてしまいがちです。確かめる唯一の方法は、記録することです。
3〜4週間、頭痛ダイアリーをつけて、次のことを記録しましょう。
- 頭痛があったか、いつ始まったか、どれくらいひどかったか。
- その日の天気をひと言で:暑い、蒸し暑い、嵐、急な変化など。
- その日の睡眠、食事、ストレス。これらは天気による頭痛にたいてい付きものだからです。
それから振り返ります。急な天気の変化のあとに、思っていた以上に頭痛が起きていたでしょうか?同じくらい大切なのは、嵐の日や暑い日でもまったく頭痛がなかった日があったかどうかです。よく眠れて規則正しく食べていた日には天気が変わっても平気なことが多かったなら、天気はそれ単独の誘因というより、増幅させる要因なのかもしれません。本当の誘因と偶然を見分ける方法は、頭痛の誘因のガイドで説明しています。
気圧の変化がわかる天気予報をチェックすると役立つという人もいます。早めの警告として使えますが、それに予定を振り回されないようにしましょう。天気を心配することも、それ自体がストレスになります。
リスクの高い日に役立つこと
天気は止められませんが、その上に積み重なりがちなほかの要因を減らすことはできます。The Migraine Trustのアドバイスも、まさにこの点が中心です。1
- 暑い日や体を動かすときは水を多めに飲み、 水筒を持ち歩きましょう。
- 睡眠を守りましょう。 いつもの就寝時間と起床時間を保ちましょう。ここでは睡眠がとても重要です。睡眠と頭痛をご覧ください。
- 規則正しく食事をとりましょう。 つらくなりそうな日は特に大切です。
- サングラスや帽子でまぶしさを減らし、 できれば正午ごろの最も強い日差しを避けましょう。
- いつもの生活リズムをできるだけ守りましょう。 休暇中も同じです。
頭痛に薬を使っているなら、発作が始まったら待たずに早めに飲むほうが効くことが多いです。ただし、どれくらいの頻度で使っているかは記録しておきましょう。天気が不安定な日が多い週は、つい何日も鎮痛薬を飲んでしまいがちで、頻繁に使うと薬物乱用頭痛につながることがあります。天気で発作がよく起こるなら、医師と予防治療について相談できます。
医師に相談すべきとき
頭痛が頻繁に起こる、悪化している、日常生活に影響している、または月に何日も鎮痛薬が必要になっている場合は、医師に相談してください。
突然始まる非常に激しい頭痛、または脱力、しびれ、錯乱、話しにくさ、視力の喪失、けいれん発作、首のこわばりを伴う高熱がある頭痛の場合は、すぐに医療機関を受診してください。4 暑い天気では熱疲労(熱中症)が起こることもあります。NHSは、その兆候として、頭痛、めまい、大量の汗、吐き気、高熱、強いのどの渇きを挙げています。3 涼しい場所に移動し、水分をたくさんとって肌を冷やし、30分たっても具合が悪いままの場合や錯乱が見られる場合は救急に連絡してください。危険なサインについては、頭痛が始まったときにすることのガイドで説明しています。
はじめてみましょう
これから1か月、頭痛を記録し、頭痛のあった日と、頭痛のなかった日の何日かについて天気を書き留めましょう。Headache & Migraine Diaryなら頭痛を数秒で記録でき、天気を誘因の候補としてタグ付けできます。カレンダーを振り返って、頭痛のあった日が本当に嵐のあとに続いているのか、それとも睡眠やストレスが主な原因だったのかを確認できます。

