頭痛キャップは、冷凍庫で冷やしておき、額や目の上までかぶる伸縮性のあるジェル入りの帽子です。すぐに薬に頼らずに片頭痛の発作を乗り切る方法として、人気が高まっています。シンプルで安く、繰り返し使えます。気になるのは、本当に効果があるのか、それとも単なる冷たい帽子なのかという点でしょう。
このガイドでは、片頭痛に対する冷却キャップについて研究で何がわかっているか、温めたほうがよいのはどんなときか、頭痛キャップを安全に使う方法、そして使い続ける価値があるかを見極める方法を紹介します。
頭痛キャップのしくみ
ほとんどの頭痛キャップは、冷却ジェルが入った柔らかく伸縮性のあるカバーです。冷凍庫で冷やしてから、額やこめかみ、多くの場合は目の上までかぶって使います。これで、冷たさ、ぴったりフィットすることによる適度な圧迫、そして目を覆うタイプなら暗さ、という3つの効果が同時に得られます。電子レンジで温めて使えるキャップもあります。
どれも新しい発想ではありません。片頭痛のある人が自分で手に取る対処法として、昔から最も多いのが「冷やす」ことです。2013年の研究では、前兆のない片頭痛で報告されるセルフケアの第1位が冷却療法であり、医師は1840年代からこれについて書き残していると指摘されています。2 新しいのは、横になっていても冷たさが同じ場所にとどまる、かぶるタイプのデザインです。
冷却キャップについての研究結果
エビデンスは期待できるものの、規模は小さいです。2022年にJournal of Clinical Nursingに掲載されたレビューでは、冷却ジェルのヘッドバンドや冷却ジェルのキャップを含む、片頭痛に対する冷却治療の研究6件が見つかりました。まとめると、冷却治療を行った場合は、行わなかった場合と比べて、使用30分後の片頭痛の痛みが軽くなっていました。24時間後については明確な効果は見られず、エビデンスの確実性は「非常に低い」から「中程度」と評価されています。1
もう1つ知っておきたい研究は、頭にかぶるキャップではなく、首の前側に巻く冷凍ラップを試したものです。このランダム化試験では、片頭痛のある55人が発作の始まりにラップを巻きました。30分後、痛みは平均で約32%軽くなり、比較期間では逆にほぼ同じだけ強くなっていました。2
つまり現実的には、多くの人にとって冷やすことで片頭痛の痛みを一時的に和らげることはできますが、片頭痛の頻度を変える治療ではなく、医師から処方された薬の代わりにもなりません。頭痛キャップは発作を乗り切るための道具の1つと考え、早めに、いつもの対処と組み合わせて使いましょう。
冷やす?温める?
片頭痛では冷やす人がほとんどで、研究もそちらに集中しています。緊張型頭痛は事情が異なります。Mayo Clinicによると、こった筋肉に温熱か氷のどちらか好きなほうを当てると、緊張型頭痛が和らぐことがあります。温める方法としては、弱に設定した電気あんか、湯たんぽ、温湿布、熱めのお風呂やシャワーが挙げられています。3
実際には、両方を試してみる価値があります。ズキズキする頭痛には、額やこめかみを冷やすのが合うことが多いです。締めつけられるような、輪をはめられたような頭痛には、こった首や肩を温めるのが合うことが多いです。自分の頭痛がどちらのタイプかわからない場合は、緊張型頭痛と片頭痛の違いのガイドで解説しています。
頭痛キャップを安全に使うには
早めに使い始めましょう。 痛みがピークになるのを待たず、発作の始まりに気づいたらすぐにキャップをかぶりましょう。首を冷やす試験でも、参加者は発作の始まりにラップを巻いていました。2
肌を守りましょう。 冷凍庫から出したばかりのジェルは、最初に感じるよりも冷たいことがあります。Mayo Clinicは、肌を守るために氷や保冷剤を布で包むよう勧めています。3 キャップがとても冷たいときは、薄い布を1枚はさむか、1分ほど置いてからかぶりましょう。
短い時間ずつ使いましょう。 しばらくかぶったら外して、様子を見ます。何時間もかぶり続けるのではなく、休憩をはさんでからまたかぶりましょう。肌が赤くなりすぎたり白くなったりしたとき、痛みやしびれを感じたときは使用をやめてください。
ぴったり、でもきつすぎないように。 キャップは支えられている感じがするくらいがちょうどよいです。圧迫で痛みや吐き気が強くなる場合は、ゆるめるか、手で押さえて使える保冷剤に切り替えましょう。片頭痛の発作中は触られることに敏感になり、圧迫をまったく好まない人もいます。
いつもの対処に組み込みましょう。 NHSは、片頭痛の発作中は暗い部屋で横になるか眠ることを勧めています。4 目を覆うキャップは、特に部屋を完全に暗くできないときに役立ちます。医師の指示どおりにいつもの薬を飲み、水分をとって休みましょう。
血行が悪い、肌の感覚が鈍くなっている、寒さに敏感になる持病がある、額や頭皮に傷や炎症がある、といった場合は特に注意するか、事前に医師に相談してください。
自分に効いているか確かめる
キャップの効果は短く、人によっても違うため、自分に役立っているかを知るには記録するしかありません。次の数回の頭痛で、キャップを使ったかどうか、冷やしたか温めたか、頭痛が始まってからどれくらいで使ったか、どの程度効いたか、薬を飲んだり横になったりと他に何をしたかを書き留めましょう。頭痛ダイアリーを使えば、時間をかけて比較するのが簡単になります。4〜5回の頭痛を記録すれば、たいていはキャップを使い続ける価値があるか、ある種類の頭痛にはほかより効くのかがはっきりしてきます。
キャップと鎮痛薬に頼る日がどんどん増えていると感じたら、医師に相談するサインです。鎮痛薬を頻繁に使うと薬物乱用頭痛につながることがあり、発作中の対処よりも予防的な治療のほうが役立つ場合があります。
医師に相談すべきとき
片頭痛の発作がひどい、悪化している、いつもより長く続く、週に1回以上起こる、またはコントロールが難しいと感じる場合は、医師に相談してください。4 頭痛キャップは発作を乗り切りやすくしてくれますが、きちんとした治療が必要な頭痛を見えにくくしてしまってはいけません。
突然始まる非常に激しい頭痛、または脱力、しびれ、錯乱、話しにくさ、視力の喪失、けいれん発作、首のこわばりを伴う高熱がある頭痛の場合は、すぐに医療機関を受診してください。5 危険なサインの一覧は、頭痛が始まったときにすることのガイドにまとめています。
はじめてみましょう
すぐ使えるようにキャップを冷凍庫に入れておき、次の2〜3回の頭痛の始まりに試してみましょう。とても冷たい場合は布をはさんでください。本当に効いているかを確かめるには、Headache & Migraine Diaryで頭痛ごとに強さ、持続時間、試したことのメモを数秒で記録できます。あとから振り返って、キャップを使った頭痛と使わなかった頭痛を比べてみましょう。

