頭痛ダイアリーは、続けてこそ役に立ちます。当たり前に聞こえますが、ノートと頭痛記録アプリのどちらを選ぶかという問題は、結局そこに尽きます。最適な形式は、機能がいちばん多いものではありません。3か月後の忙しい火曜日にもまだ記入し続けているものです。
どちらもうまく機能します。このガイドでは、記録の正確さ、かかる手間、振り返りやすさ、プライバシーという、結果に実際に影響する点で両者を比べます。
正確さ:いつ記録するか
紙とアプリのいちばん大きな違いは、形式そのものではありません。人がいつ書き留めるかです。
2002年にBMJに掲載されたよく知られた研究では、慢性の痛みがある人に紙のダイアリーか電子ダイアリーのどちらかを渡し、決まった時間に記入するよう依頼しました。紙のダイアリーには、開かれた時刻を記録する隠しセンサーが付いていました。紙を使った人たちは90%の割合で時間どおりに記入したと報告しましたが、センサーが示した実際の数字は11%でした。多くの記録はあとからまとめて書かれ、ダイアリーが一度も開かれなかった日の分まで書かれていることもありました。記録にタイムスタンプが付く電子ダイアリーのグループは、94%を時間どおりに記入していました。1
これは、紙を使う人がいいかげんだという意味ではありません。記憶が空白を埋めてしまい、思い出して書いた記録はその場で書いた記録より信頼性が低いということです。頭痛ではこれが重要です。始まった時刻、強さ、何を飲んだかは、1日たつと間違えやすくなります。
どちらの形式にも通じる実践的な教訓があります。できるだけ出来事の直後に記録することです。紙を使うなら、目に入る場所にノートを置いておきましょう。アプリを使うなら、決まった時間のリマインダーが同じ役割を果たします。
手間:続けるために必要なこと
紙は準備がほとんどいりません。ノートとペンとシンプルなレイアウトがあれば十分で、手書きは画面をもう1つ見るより落ち着くこともあります。自由度も高く、絵を描いたり、長いメモを書いたり、アプリには項目がないことを記録したりできます。
手間はあとからかかってきます。紙の記録は振り返るのに時間がかかり、合計は手で数えなければならず、頭痛が始まったときにノートが手元にある必要があります。
アプリは設定に1分ほどかかりますが、日々の記録は通常こちらのほうが速いです。強さをタップし、誘因をリストから選ぶほうが、書き出すより手早く済みます。発作中は特にそうです。アプリは記録するようリマインドしてくれることもあり、これは思った以上に役立ちます。The Journal of Headache and Painに掲載された頭痛患者を対象とした小規模な研究では、電子ダイアリーはよく続けられ、ほとんどの参加者が紙版より便利だと感じていました。2
以前ダイアリーを試して1週間でやめてしまったなら、たいていの理由は手間です。自分にとって1回の記録がいちばん早く済む形式を選びましょう。
データの振り返り:パターンを見つける
ダイアリーが役に立つのは、振り返ったときです。2つの形式の違いが最も大きいのはここです。
紙の場合は、ページをめくって数えながら振り返ります。それでもできますが、根気が必要で、2か月かけて頭痛の日が少しずつ増えているといったゆっくりした傾向は見逃しやすくなります。ノートの最後に毎月の簡単な集計を書いておくと、とても役立ちます。
アプリは数えるのを代わりにやってくれます。頭痛の日をカレンダーで表示し、薬を飲んだ頻度を追跡し、特定の頭痛の誘因が最もつらい日の前に繰り返し現れていないかを見やすくしてくれます。この自動集計が最も役立つのは薬です。鎮痛薬を頻繁に飲みすぎると薬物乱用頭痛につながることがあり、累計はノートよりアプリのほうがずっと見やすいからです。
どちらを使うにしても、週に10分は振り返りの時間をとりましょう。誰も振り返らないダイアリーは、ただのリストです。
プライバシー
紙は、安全な場所に保管している限り完全にプライベートです。ノートの外に出るものは何もありません。
アプリはさまざまなので、選ぶ前に確認しましょう。データがどこに保存されるか、アカウントを作る必要があるか、アプリが広告会社や分析会社とデータを共有していないかを確認します。健康データは個人的なものなので、その答えに納得できることが大切です。
たとえばHeadache & Migraine Diaryは、アカウントが不要です。記録はスマートフォンに保存され、iPhoneでは自分のiCloudで同期でき、私たちはそこにアクセスできません。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
医師と共有する
医師にとってダイアリーが最も役立つのは、要約されているときです。毎月の頭痛の日数、その強さ、何を飲み何が効いたか、といったことです。紙のダイアリーはコピーしたり持参したりできますが、要約は通常自分で用意する必要があります。アプリなら、カレンダーと合計がすでにそろっているので、受診中にスマートフォンで見せられます。
どちらの場合も、医師にすべての記録を読んでもらうのではなく、要約を持っていきましょう。
どちらを選ぶべき?
手書きが好き、完全なプライバシーを求める、自由形式のメモを好む、スマートフォンだと気が散る、という人は紙を選びましょう。短く、目に入る場所に置き、毎月集計しましょう。
発作中にすばやく記録したい、記録のリマインダーがほしい、自動で合計を出してほしい、頭痛の日をカレンダーで見たい、という人はアプリを選びましょう。
組み合わせることもできます。基本的なことはアプリで記録し、長めの振り返りや医師に聞きたい質問はノートに書いている人もいます。
正直な答えは、どちらかを2週間試してみることです。2週間後もまだ記録を続けていれば、それが自分に合った形式です。続いていなければ、もう一方に切り替えましょう。大切なのは継続した記録であり、それを作る道具ではありません。

